自分が住んでいる市の市長って選挙で選ばれてその際に公約として何かを掲げていたけれど実際にはどのような仕事をしているのかというのはメディア等の目に見える部分と組織内部での仕事という目に見えない部分がありますのでその点についてみていきましょう。
まず、市長は普通地方公共団体の長という位置づけになり、法律的には地方自治法でその権限行使できることがある程度決まっています。
例えば地方自治法第148条で地方公共団体の事務を統括し、具体的には149条で行使できる内容について定まっているという状況です。
具体的にみていきますと、市は市議会と市長という二元的な代表制度となっており、そのような中で市議会で審議する議案、例えば条例案や予算案などについて市議会に提出する権限が認められています。
また、予算議案の調整、提出については市長の専権事項とされているため、議会側が市長の案が気に入らないからといって対案を出すということはできず、気に入らないなら否決するか、修正議決をするという対応しかできない制度とされています。
組織内部的な側面でいうとこの予算調整権限というのが市長の大きな権限ということがいえます。
予算調整というとわかりにくいですが、具体的にいうとその市の使えるお金をどこに割り振るかという案を作成する権限があるということです。
選挙において例えば子育てが大事という形で当選してきた場合には、前年度の予算と比較して、子育てについて新しい取り組みや事業を始めるなどしてその分野を手厚くし、その結果、予算の額が大きくなる、その代わり重要でないと考える分野については切り込むという対応ができるのです。
さらになまなましく言うとその分野にぶら下がり公共の発注を受けて事業をしている事業者に対する配分を大きく変える権力を有するということです。
ただ、予算はすべて市の歳入だけで賄われるものではなく、県からの補助金や国からの補助金なども活用しながら配分することとなります。
この点において県政、国政との関わりが生じてきます。補助金を交付してもらうために施策の方向性をその補助制度に見合った形に整えたりする場合があるのです。
その他に法定されていない事務としてイベントごとなどに出席していることがあり、こちらの姿が市民の目には多く写ることとなりイベントに出席するのが仕事であるという認識をされてしまうこともありますが、実際には、税金の配分を決めるという強大な権限を有しつつ、その財源確保のために県政、国政の動向も注視しなければならない立場であるということがいえるのです。