キャリアコンサルタント試験の受験を控えていらっしゃる方、お疲れ様です。
実技試験において、「ロールプレイが苦手」という方が多くいらっしゃるかと思います。
この記事では、あくまで試験上、せめて出だしと終わりでつまずかないようにする為のポイントを整理してみました。
あくまで私個人の主観なので、参考程度にご覧下さい。
まずは心構え
上手く話そうと緊張してはいないでしょうか。
ただここではき違えてはいけないのは、例え試験といえど「話せる」ことが大事なのではなく、「クライエントのお役に立つ」事が大事だという事です。
つまりクライエントの話を聞きながら、クライエントの為になるにはどうすれば良いか・・・という視点で常に相手の話を傾聴し、その上で相手のお役に立てるよう精一杯努めるのです。
試験でも「どう話そう」ではなく、「どうお役に立とう」と思えば、職業違えども、普段お客様と接していらっしゃる方は、そうそう力む必要はないかと思います。
お客様と接するように、クライエントに接しればいいわけですから、まずは心構えとして「うまく話せるかな・・・」といったような緊張を持つのはやめましょう。
普段、お客様とコミュニケーションをとられているその事の方がよっぽど難しいはずです。
「ここで話すことは、普段仕事で話す事に比べたら大した事ないな。」といい意味で開きなおり、心を落ち着けましょう。
一人面接のすすめ
「相手を探してロープレの練習をしないと・・・」と多くの方が思うはずです。
確かに、これは必要な事だと思います。
ただ、ここでまず「一人面接」を行ってみましょう。
一人面接とは、一人二役でキャリコン役とクライエント役の両方をこなすのです。
クライエントとして面接後、幾分すっきり整理できた気分になれば一応は合格です。
何度かチャレンジしてみましょう。
やり方としては、過去問の論述問題を感情を込めて読んでみましょう。
そして、それが出来たらそこに自分でアドリブを付け加えてみて下さい。
ロールプレイ導入部分の言い回しについて
いわゆる最初の話の切り出し部分は言葉を決めておいても良いかと思います。
こんな感じでいかがでしょうか。
「はじめまして。本日担当させていただきます◯◯と申します。」
(相手が名前を伝えて頂けない場合)「差し支えなければ、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
『〇〇さんですね。よろしくお願いします。」
「では〇〇さん、本日はどのようなご相談でしょうか?」
「△△で、□□でいらっっしゃって、××ということなのですね」
限られた試験時間なので、あくまで試験での導入はこの程度で良いのではないでしょうか。
相談者との関係構築をつくるきっかけ作りと、安心して話せる環境作りを目的として行えば良いかと思います(あくまで一例です)。
口頭試問対策について
次に口頭試問です。
これは、キャリアコンサルティング協議会とJCDAとで若干質問が異なるようです。
この記事では協議会の傾向をお伝えします。(2021年8月現在)
色々なネットでの情報を見ると、聞かれる内容は
1 できた事、できなかった事
2 相談者の問題とキャリコンとしての問題点の見立て
3 今後の展開(支援について)
という内容のようです。
ポイント
1に関しては、感想にならないよう注意が必要です。
そして、具体的に根拠を述べましょう。
また、断言しないように注意しましょう。
例えば「〇〇ができました。」と言い切るのではなく、「〇〇ができたと思います。」と、その判断を面接官に仰いでもらった方が、受験生という立場上では心象が良いかと思われます。
そしてできなかった点に関しては、結びに「(〇〇ができていなかったと思います。)今後はその点を改善していきたいです。」といったようにまとめると、心象が良いのではないでしょうか。
2に関しては主訴は、これはまさに国語力が試されます。
短文を読み、要約する・・・といった訓練を日々行うことで対策しましょう。
見立てに関しては、だいたい
・自己理解不足
・仕事理解不足
・情報不足
・意思決定不明確
・中長期プラン・キャリアビジョン・ワークライフバランス不明確
・周囲とのコミュニケーション不足
・自己効力感低下
*学生の相談者には、ほぼ必ず自己理解不足・仕事理解不足を盛り込む事が必要かと思われます
・・・といったことに相談者が気づいてくれれば、相談者の自律的な解決の役に立つのではないか・・・
と思われる視点で、あくまで相談者の為に、相談者の役に立てるアドバイスとして気づかせてあげる内容だとして述べられれば良いのではないでしょうか。
3に関しては、これは難しいですね。
何が相手の為になるのかなんて、断言することなどできませんから。
なので、「相談者が仕事をする(していく)為に役立つ情報提供」をする事をメインに組み立てましょう。
言い換えれば、相談者が知らない事を気付かせてあげるというスタンスです。
ただ、試験対策上は論述の過去問からある程度の言い回しを用意しておいて、当日はそれをアレンジして使うという方法もありかと思われます。
ですので、過去問の論述問題を解いて論述の勉強も兼ねて対策しましょう。
一応例として、載せておきます(論述過去問の解答例より)。
・自分に合う仕事を見つけるために、VPI職業興味検査等のアセスメントツールを紹介、利用を提案して、キャリアビジョンを明確化する支援を行う
・短期・中長期のキャリアプランの作成を提案し、相談者自身が自律して考えれれるサポートを行う
・相談者の努力をコンプリメントしながら、現状はいつまでも続かないことを理解できるようライフプランを整理する
・ジョブカードを提案を行い、同意いただければ作成のサポートをし、キャリアの棚卸しをして最終的に自分自身が何をしていきたいかを自立的に考えれれるようサポートする
・転職に関しての情報提供や応募書類の作成の支援をする
・自身が活き活きと仕事をしていけるよう、自律して考えていけるよう支援する
・会社の再雇用制度について知るサポートを行い、その時に高年齢雇用継続給付金についての情報提供も行う
・相談者が自律的に就職先の意思決定ができ、今後社会人として活躍できるよう支援していく
・女性の活躍、両立支援総合サイト等の案内をして、相談者が自律的に今後の事を考えるよう支援する
・上司とのコミュニケーションを深めていく為の支援を行う
・就職活動をサポートする
・これまでの仕事への取り組みを整理し、振り返りを行い、課題を計画にして役割の改善の手助けを行う
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Q 6つ答えなさい
A 自己理解の支援、仕事理解の支援、自己啓発の支援、意思決定の支援、方策実行の支援、新たな仕事の適応の支援
まとめ
今回はキャリアコンサルタント試験の、ロールプレイングの最初と最後の部分の流れに備える内容でまとめました。
大事なのは自分でも試験面接官の為でもなく、目の前にいる相談者の為にという意識を持って、そこに集中して臨みましょう。